
vol.202 2025 SUMMER
- [巻頭インタビュー]新時代の営業力!
~信頼の多角化と強みへの回帰~
D2C R 第2営業本部 大植 光起×清野 傑 - [巻頭コラム]
外から見た清野 傑 と 中から見た大植 光起 - [特集]WE PRODUCE AWARD 2024 開催
- [Manager Cross Talk]市村 駿太×市村 卓也
- D2C ID IMG SRC STUDIOも最先端技術で協力 EXPO 2025 大阪・関西万博が開幕
- [Z世代と言われましても]上世代の昔話編
- [D2C GROUP TOPICS]
D2C GROUP TOPICS
「足で稼ぐ」「御用聞き」などといった顧客との直接的な接点を通じて信頼関係を築くこれまでの営業スタイルから、現代ではテクノロジーの進化や顧客ニーズの多様性など、より洗練されたスキルや戦略が求められる営業職。今回ご紹介するのは、D2C R 第2営業本部で活躍される大植 光起さん(営業1部)と、清野 傑さん(営業3部)のお二人。顧客との関係だけでなく、社内外のコミュニケーションやプロセス、提供価値、自己成長など、ビジネスに関わる全ての側面において信頼を築き成果を出すお二人に、今の時代に求められる営業力をテーマにお話を伺いました。
—— まずはお二人の業務内容について聞かせてください。
大植 私のいる営業1部は、これまでもD2C Rが得意な領域としていたアプリやゲーム商材を筆頭に、多様な業種の既存クライアントと伴走し、課題解決はもちろん事業のグロースを目指す部
署です。メンバーもアプリマーケティングにおける経験と知見が多いメンバーが集まっていますね。
清野 僕は大植さんと同じ第2営業本部ですが、営業3部に所属しています。この部では新規クライアントの開拓をメインミッションとしており、業種を問わず各種コンペやホームページからの問い合わせなど、様々な新規案件に向き合っています。
360度の信頼と
マルチスキルで応える
—— 今回「新時代の営業力」がテーマとなっていますが、お二人が普段の業務で大切にしていることは?
大植 冒頭から「新」という言葉にはそぐわないかもしれませんが、私にとって営業の、そして社会人としての根幹にあるのは、いつの時代も変わらず「信頼」という二文字です。それは、クライアントや上司といった対外的な関係性だけではありません。共に仕事を進めるパートナー、チームメンバー、そして後輩など、関わるすべての人からの360度の信頼を得ていくことこそが、私自身の終わりのないテーマだと捉えています。 当たり前のことではありますが、例えば「常に即レスを心がける」「いかなる時も忙しさを言い訳にしない」「期日は必ず守る」。これらは、社内外問わず徹底しています。また、案件をより良くするために、遠慮なく意見を発することも重要だと考えています。もちろん、伝え方には細心の注意を払いますが、表面上だけの賛同ではなく、本質的な改善に繋がる率直な意見を発信し、言葉だけでなく行動で示す。そうした丁寧なコミュニケーションを常に意識しています。
清野 そうですね、僕の場合は「自分やD2C Rに相談してくれたクライアントに真摯に向き合い、想像していることが実現できるようサポートにしたい」という思いが常に根底にあります。
これは、先ほど大植さんがおっしゃっていた「信頼」という言葉と深く共鳴する部分だと感じています。それに加えて、自分自身が多様なスキルを身につけ、対応できる領域を着実に広げていくことを常に心がけています。例えば、最近では広告のラフ案やコンテを制作したり、広告運用にも携わったり、簡単なプログラミングやSQLも概要が分かるようになりました。このように、自分自身のスキルを高めることが、最終的には個人のキャリアアップだけでなく、所属する組織全体の成長にも繋がる確実な道だと信じています。
技術革新が進むほど
浮き彫りになる
それでも「人」が選ばれる理由
—— 高度な技術革新が進むことにより広告運用においても差別化が難しくなるなかで、選ばれるために意識している強みとはなんでしょうか。
大植 知見と実績が蓄積されていること、運用体制が整っていること、そこに加え、静止画・動画問わずクオリティの高いクリエイティブを内製できることが強みになっています。ゲーム系の案件では、コンペの依頼が10社に来たとするとそこから数社に絞って初期の運用を任され、そこでのクリエイティブやレポーティングの質が決め手となって最後の1社に選ばれるということが少なくありません。最近では商材への理解・解像度の高さが認められ、広告クリエイティブ以外の公式動画の制作を指名でご依頼いただくこともあります。広告出稿のご予算と比較すると、弊社の売上の中ではまだまだ割合としては大きくありませんが、専業代理店が長年課題としている制作費の適正化においては大きなことです。技術の進歩によってどこの会社でも一定のクオリティを提供できる時代だからこそ、最後の決め手となる〝違い〞こそが私たちの武器であると考えています。
清野 僕の場合は「主要広告プラットフォームも扱っている割には小回りが利く」ことでしょうか。主要広告プラットフォームの運用はインハウスへ切り替えが進むクライアントも多い一方で、ニッチなメディアを細かくプランニングして運用するのはノウハウが集約しきれず内製化が難しい側面もあります。かといって、大手広告代理店ではなかなか請けてくれない。そうなると、僕らのような機動力が強みとなるんです。機動力に加えて、ドコモメディアを専門に扱ってきたキャリアレップとしての実績と信頼、他キャリア・その他ニッチな広告メニューも扱える代理店としての機能もある。実際に、2024年度はキャリアメニューを軸としたニッチなメディアの取り扱いがきっかけで案件を拡大することができました。手が出しにくいニッチな広告メニューを横断的に取り扱いさせていただけるのも、キャリアレップとしてスタートしたD2Cグループが25年培ってきた信頼を土台に、新しい分野にも手を広げながらそれぞれ事業として確立してきた実績があるからこそなので、そこはどんなに機動力があっても新興企業には追随できない部分だと自信を持っています。
普遍的な人間力と
「言ってみる」一歩
—— 最後に、チームメンバー、延いてはグループメンバーに伝えたいメッセージをお願いします。
大植 「もっと自分の思うことを言っていい」ですね。実際にチームメンバーをはじめ、様々な部署のメンバーにヒアリングしてみると、「こうしたい」「ああすればいいのに」と思ってはいても、モヤモヤしたまま溜め込んでしまう人は意外と多いと気がつきました。単なる文句に終わらないよう建設的な伝え方にすることも大事ですが、まずは言葉にしてとにかく伝えてみてほしいです。
もしそれが見当違いだとしても、それこそ日々の「信頼」が土台にあれば絶対受け止めてもらえるはずなので。
清野 あえてこのご時世だからこそ「気合いと根性」を推したいです。大植さんも言うように、どんな失敗をしたとしても、真摯に受け止めてくれる環境はある。周りを見すぎないで自分のことに貪欲になってほしいと伝えたいですね。今回のテーマは「新・営業力」ですが、最新のテクノロジーや戦略が進化しても、最終的に「営業力」を支えるのは、一人ひとりの「人間力」に行きつくはずです。揺らぐことのない本質を見据えて活動することこそが、どんな時代の変化にあっても揺らがない価値を生み出せる強みになるのではないでしょうか。